(1)ラティス構造の均質化
皆さんはラティス構造での解析をしたことがありますか?ラティス構造はメッシュを切るのが大変で計算コストも高くなりがちです。ラティス構造の解析コストを下げるのには均質化が有効です。本記事では数値実験による弾性行列への均質化や、均質化した弾性行列の可視化について紹介しています。
新谷国隆
2024,04,19『TYPE-V Nature Architects project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE』 「ミラノデザインウィーク」にて発表
『TYPE-V Nature Architects project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE』 「ミラノデザインウィーク」にて発表
Nature Architects
Nature Architects
2023,04,04 2023,04,04Nature Architects株式会社(代表取締役:大嶋泰介 / 本社:東京都港区 / 以下:Nature Architects)は、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEとの共同開発により、Nature Architectsの ¹DFM(Direct Functional Modeling)と呼ばれる²メタマテリアルを用いた新しい設計アルゴリズムのフレームワークを応用することで、熱を加えるだけで狙った立体に自動で変形する布「Steam Stretch」の設計製造技術を開発、最小限の縫製でジャケットや照明など、立体的な形状のプロダクトを生み出すことに成功しました。
ミラノデザインウィークの期間中、ISSEY MIYAKE / MILANにて『THINKING DESIGN, MAKING DESIGN: TYPE-V Nature Architects project』を開催、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE のものづくりのシステムと Nature Architects による最新のデザインソリューションを掛け合わせたプロトタイプを展示します。全貌は本展示にて公開予定です。
TYPE-V Nature Architects projectインタビュー映像はこちら
クレジット:© ISSEY MIYAKE INC.
*¹DFM(Direct Functional Modeling)とは、「ユーザーが求め機能から逆算してプロダクトの形状を決定する」ための設計アルゴリズム群を総称したものになります。DFMでは1)メタマテリアル単位構造の自動生成アルゴリズム、及び2)抽出されたメタマテリアル単位構造を外径形状への割当てアルゴリズムの2つを活用することで、通常のプロダクト開発では困難な、「機能から形状を逆算する」というプロセスを実現します。
*²メタマテリアルは、自然界に見られるもの以外の特性を持つように設計された材料です。メタとマテリアルを合わせた造語で、「物質を超えた」という意味です。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKEの「Steam Stretch」は布に熱を加えることで特定の糸が縮み、伸縮性のあるファブリックを生み出すことのできるイッセイ ミヤケ独自の製造技術です。Nature Architectsは狙った立体に変形するために必要な布の収縮パターンを計算し、複雑なプリーツ形状の展開図を自動生成するアルゴリズムを開発することで設計プロセスを自動化・効率化することを可能にしました。 これにより熱を加えるだけで布が立体化する未来からタイムスリップしてきたような全く新しい服が実現しました。従来の平面の布を縫い合わせて作る服という常識を超越し、熱を加えて立体化するファブリックの可能性を展望するプロジェクトとなっています。 平面の布に熱を加えると収縮する糸の配置パターンをNature Architectsの設計技術DFMで計算し図面化します。その後、Steam Stretchのプロセスによって布に熱を加えることで目標の立体に布を変形させます。ジャケットの実物は展示にて公開予定です。 布に熱を加えることで半球やジャケットの形状などあらゆる立体形状に変形させることが可能です。
本プロジェクトの熱を加えるだけで狙った立体に変形する技術は、アパレルに限らず家具や照明などさまざまなアプリケーションに応用できる可能性を秘めています。 当プロジェクトを家具や照明に応用したプロトタイプ
また、Nature Architectsはアパレル業界だけではなくモビリティを中心に、建設・航空宇宙などの各業界を革新する設計事業を行っています。そして、プラスチック・ゴム・金属などあらゆる材料で変形・音響・振動・熱などのさまざまな機能を伴う部材・製品設計による機能向上やコスト削減を実現します。例えば、今回のプロジェクトで用いた技術を車載部材や建築部材などに適応することで、革新的な衝撃吸収部材(事例①)や部材の大幅な組み立て削減や軽量化(事例②)が可能です。
座屈の進展パターン、すなわち衝突時に部材がどのように折りたたまれて壊れるのかを制御することで衝撃吸収性を大幅に向上させると同時に、軽量化を達成します。
表面に凹凸を最適設計することで対象物の剛性を自由にコントロールすることが可能です。こうした技術を活用し複数部品で剛性/強度を担保していた部材を一体化し軽量化することが可能です。
Nature Architects は今回のプロジェクトを通して、アパレル業界だけではなくあらゆる製造業に「折り紙技術の応用から、自由な立体形状を平面の展開図に変換する設計製造技術」の可能性を提示し、さまざまなアプリケーションを生み出す協業を歓迎します。また、Nature Architectsはアパレル業界だけではなく、モビリティ、建設、航空宇宙領域を主力事業とし、各業界を革新する設計事業を引き続き推進していきます。
A-POCとは、A Piece of Cloth=“一枚の布”の意。1998年にプロジェクトとしてスタートしたA-POCのものづくりは、一体成型という新しい概念の服づくりを探究し、時代を見つめながら進化を遂げてきました。従来の服作りとは異なり、衣服のデザインに必要な要素をあらかじめ一枚の布に織り込む(編み込む)ことで、服づくりのプロセスを変革してきました。
2021年に発足したA-POC ABLE ISSEY MIYAKEは、A-POCの持つ無限の可能性を社会に現実化 “ABLE”させていくブランドです。宮前義之率いるエンジニアリングチームは作り手と受け手とのコミュニケーションを大切に、異分野や異業種との新たな出会いからものづくりの新しい可能性を探究していきます。
A-POCとは”A Piece of Cloth”の略。つまり、三宅一生が長年掲げてきたものづくりの思想でもあります。A-POC ABLE ISSEY MIYAKEでは、エンジニアリングチームと共に、これまで追求してきたA-POC独自のものづくりを継承し、さらに発展させていきます。 そして異分野との交流から、人と人、人と知恵が交わり、新しい発想を育み、未来を織りなしていきます。アートやテクノロジー、クラフトなど、ジャンルの垣根を越えた出会いから生まれた比類ないアイデアを、次世代の衣服として実現させていきます。「TYPE-V Nature Architects project」では、テキスタイルとテクノロジーとの関係性を探求し、新たな造形プロセスを開発していきます。そして衣服にとどまらず、家具や照明などに発展していく可能性を確信しています。本プロジェクトの第一章として、今回の展示ではカタチになったばかりのプロトタイプを、ファッションとデザインの中心地であるミラノで発表します。A-POC ABLE ISSEY MIYAKEのものづくりを通じて、皆さんと一緒にこれからのデザインについて考え、さらにA-POCを発展させていく第一歩になればと願っています。
1976年東京都生まれ。2001年三宅デザイン事務所に入社し、三宅一生が率いたA-POCの企画チームに参加。その後ISSEY MIYAKEの企画チームに加わり、2011年から19年までISSEY MIYAKEのデザイナーを務めた。2021年にスタートしたブランド「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」では、エンジニアリングチームを率いて、A-POCの更なる研究開発に取り組む。
Nature Architects 株式会社はメタマテリアルを活用した最先端の設計技術で様々な製造業メーカーに対して従来製品を超える機能を実現する設計図面を提供する東京大学発スタートアップです。部材一体化/材料代替による軽量化・コスト削減やリサイクル性の向上、振動・音・変形・熱に関する機能の向上などにより、競争力のある製品を生み出し、モビリティ業界をはじめとして建設、航空宇宙などあらゆる製造業の新市場/事業の開拓を強力に支援しています。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE × Nature Architectsのプロジェクトは熱を加えるだけで狙った立体に自動で変形する布を開発し、縫製の必要がほとんどない全く新しいジャケットを生み出すことに成功しました。 A-POC ABLE ISSEY MIYAKEのSteam Stretchは布に熱を加えることで、特定の糸が縮み伸縮性のあるファブリックを生み出すことのできる製造技術です。Nature Architectsは狙った立体に変形するために必要な布の収縮パターンを計算し、織り図を自動生成するアルゴリズムを開発しました。 これにより布に熱を加えることで立体化する、未来からタイムスリップしてきたような全く新しい服が実現しました。従来の平面の布を縫い合わせて作る服という常識を超越し、熱を加えて立体化するファブリックの可能性を展望するプロジェクトとなっています。
東京大学総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系博士課程単位取得退学。独立行政法人日本学術振興会特別研究員(DC1)、筑波大学非常勤研究員などを経て、2017年5月にNature Architectsを創業。メカニカル・メタマテリアル、コンピュテーショナルデザイン、デジタルファブリケーションの研究に従事する。独立行政法人情報処理推進機構より未踏スーパークリエータ、総務省より異能ベーションプログラム認定、文部科学省よりナイスステップな研究者の認定。
東北大学理学部卒業後、東京大学大学院総合文化研究科にて、折紙工学の研究により修士号取得。折紙技術を用いたプロダクト設計支援ツール「Crane」を同社CTO谷道と共に未踏事業にて開発。Nature Architectsにてメタマテリアル・折紙工学を用いた高付加価値設計技術の開発に従事。主な受賞歴として2018年度一高記念賞(東京大学研究科長賞に相当)、未踏スーパークリエイターなど。
1階:TYPE-V Nature Architects projectの概要と主なプロトタイプの展示 ー Prototypes(ジャケット、ドレス、ファニチャーへの可能性を示唆した試作、球体構造) ー テキスタイル ー 制作過程の映像作品
2階:衣服にとどまらない可能性を示唆したプロトタイプの展示 ー Prototypes(照明への可能性を示唆する試作とドレス、建築への可能性を示唆する模型)
会期: 2023年4月18日(火)ー 4月23日(日) 営業時間: 10:00-19:00 会場: ISSEY MIYAKE / MILAN Via Bagutta 12, 20121 Milano Italy Tel. +39 02 781040
代表取締役CEO:大嶋泰介 所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂8‐4‐7 アパートメントカーム7C 創業:2017年5月 事業:機械設計/コンサルティング コーポレートサイト:https://nature-architects.com/ Instagram:https://www.instagram.com/nature_architects_/ Twitter:https://twitter.com/NatureArchitec1
Nature Architects株式会社 PRESS:中沢・松村 E-mail:info@nature-architects.com
皆さんはラティス構造での解析をしたことがありますか?ラティス構造はメッシュを切るのが大変で計算コストも高くなりがちです。ラティス構造の解析コストを下げるのには均質化が有効です。本記事では数値実験による弾性行列への均質化や、均質化した弾性行列の可視化について紹介しています。
Have you ever done an analysis on a lattice structure? Lattice structures tend to be difficult to mesh and computationally expensive. Homogenization is an effective way to reduce the analysis cost of lattice structures. This article introduces homogenization to elastic matrices by numerical experiments and visualization of the homogenized elastic matrices.
新谷国隆
Kunitaka Shintani
2024,04,19 2024,04,19あるメタマテリアル構造を効率的にシミュレーションするため,均一なシェル要素に置き換えます。
In order to simulate a metamaterial structure efficiently, it is replaced by a uniform shell element.
山村悟史
Satoshi Yamamura
2023,09,08 2023,09,08